今回は基礎を形成するコンクリートに関するチェック事項です。
基礎は家を支えるとても大切な土台。
最近の住宅はローコストメーカーから坪単価100万円超えのVIPメーカーまで様々あるが、
坪単価が高い≠長く住める良い家が現状。
変えが効く設備にお金をかけるより先に、
変えの効かない基礎を重視しているメーカーなのかを施主目線でも確認していきます!
結論まとめ
- 季節によって水分配合を適切に調整する必要あり!
- 基礎のコンクリートは湿度管理が大切(特に乾燥し過ぎはNG)。
- 施工後に雨で濡れる程度は寧ろOK!
- 施工中に濡れるのは厳禁!

コンクリートは鉄筋を守る役目と家を支える2つの役目を担う!
ここに不備があると、長く安心して住めない家になってしまう。
しっかりチェックしよう!

ここの不良施工があると、
せっかくの鉄筋施工をちゃんとしていても意味がなくなる。
しっかりチェックしていこう!
コンクリートについて
コンクリートとは
コンクリートは、下の図のようにセメント、水、細骨材、粗骨材、混和材料から構成されます。これらをコンクリート中に占める体積でみると、もっとも多いのが粗骨材で、次いで細骨材、水、セメント、混和材料の順になります。
コンクリートの強度は“呼び強度”で表現され、数値が大きいほど丈夫なコンクリートとなる。


コンクリートの強度(呼び強度)は、ニュートン(N/mm²)という単位で表現される。
建築基準法では、18N以上の強度を必要と定められています。
コンクリートの寿命は、一般的に18Nで30年、24Nで65年といわれています。
鉄筋も含め正しい施工がされていれる前提での基準のため正確にイコールではない。

コンクリートは水とセメントと砂を配合したもの。
配合量で強度が変わるため、現地で混ぜて使う場合は
配合量を測っているのかチェックしよう!

60年住める家と謳っているのに、
コンクリート強度が24N無い場合は矛盾しているよ!
設計士の方にもコンクリート強度は
どれだけのものを採用しているのか確認しよう!
コンクリートは配合が命
前述した通り、コンクリートは配合によって強度が変わる。
御察の通り、固形物は良いが、水は湿度・温度で気化してしまうため配合調整が難しくなる。
冬用のコンクリート
冬は結露が起きたり、逆に日中は乾燥したりするため、コンクリートの状態を一定に保つ以下処理を行う。
- セメント以外の材料を温める
- 凍結に耐性のある混和剤を入れる
- 保湿養生
夏用のコンクリート
気温が高く炎天下の場合に水分が急速に蒸発するため、コンクリート状態を一定に保つ以下処理を行う。
- セメント以外の材料を冷やす
- 水和熱の低いセメント剤を使用
- 固まるのを遅らせる混和剤を入れる

日本の気候に合わせてコンクリートが最適な状態を保てる様にします。
夏冬というよりは、水が安定してセメントと化学反応できる様に調整をするイメージだね。
コンクリートが固まる仕組み
コンクリートは時間の経過とともに硬化が進み、打設日から28日で必要な強度以上になるように設計されています。
生コンは、ドロドロの状態から乾燥して水分がなくなって固くなるのではなく、コンクリート材料のセメントと水の「化学反応」で硬化する。
セメントを構成する化合物が、水と反応して新しい化合物になる現象を「水和反応」と言います。その時できる新しい化合物を「水和物」と呼びます。
この水和反応はゆっくりと時間をかけて進行し、打設から28日で80%程度の強度になるが、水和反応が滞る様な急激な水分変化が起きると予定の強度になることができないため、前述した通り湿度コントロールが大切になる。
コンクリート施工のチェック内容
配合に狂いがないか?
施主では流石に配合のチェックはできない。
ただし、打設時にやってはいけないポイントは簡単なので押させておこう!
しっかりと混ぜているか?
コンクリートミキサー車から流す場合はチェック不要。
現地で混ぜて作る場合は配合量が正しくても、均一に混ざっていないと意味がないため、
しっかりと混ぜているのか確認しよう。
雨天時に施工していないか?
コンクリートは水分配合も大事です。
ドロドロの状態のコンクリートに雨水が入ると水分の配合量が増えます。
施工日当日に雨が降っている場合に打設作業をされている場合は、
ハウスメーカーや工務店を通じて大丈夫なのか確認をしよう!
湿度コントロールができているか?
冬は保湿養生
打設後のコンクリートは水和反応が起き水分が減っていく。
乾燥しやすい冬や、真夏の炎天下の環境ではコンクリート表面が乾燥しない様に、
ブルーシート等にて湿度を保つコントロールを行う。
我が家の施工状況
コンクリート強度(配合)
・24N/m㎡ 以上の設計値
住友林業のBF工法平家建ての場合はコンクリート強度は24N/m㎡ 以上で作ることが設計で決まっている様です。長期優良住宅申請書の申請内容に記載されていました。当日打設した実際のコンクリート強度の結果までは分からなかったですが、
住友林業施工管理の方がチェックされていたので大丈夫だと思います。

湿度コントロール
・保湿養生されてました
我が家は冬に基礎工事をおこないました。
住友林業の基礎は2回打設です。(⇦立ち上がり部分と地面のベース部分で2回に分けて打設すること)
立ち上がり部分の打設をして数日の状態では養生がされているのを確認しました。

参考:1回打設と2回打設について
ベタ基礎は地面になるベース部分と柱が乗っかる立ち上がり部分に大別して分けられます。
この2つの構造を作る工法として以下2つがある。
- ベタ基礎一体打ち工法:1回のコンクリート流し込みで一度に立ち上がりとベースを整形する
- 2度打ち工法:立ち上がりとベースそれぞれ分けて打設する

ベタ基礎一体打ち工法
- 打継ぎが無い為、水の侵入やシロアリの侵入を防げる。
- 強度は2度打ちの1.4倍
- 施工が1回に短縮できるため工期短縮に期待できる
- コスト高
2度打ち工法
- コスト安
- 継ぎ目から水や白蟻の侵入の可能性がある。
- 一体より強度が弱い

コスト面度返しするなら一体打ちの方が良いに決まってる!

2度打ちがダメなわけじゃない!
継ぎ目を補修したり、白蟻対策を別の策で対応したり、
強度不足をコンクリート強度で補えばいいのよ!
ハウスメーカー選びの際にダイワハウスではこの一体打ちをかなり推していた。
ダイワハウスは商業施設も手広く展開していて基礎の特許もたくさん持っているため、
耐震性に関連する基礎部分も強みがあるみたいです。
ダイワハウスでは「シームレス一体スラブ基礎」という商標で展開しているみたい。
ただ、HP確認したら、、
当社木造住宅では地耐力20kN/m2以上※2に対応する標準基礎を用意しています。
https://www.daiwahouse.co.jp/jutaku/technology/wooden/resistant/slab.html
とのことです。
住友林業は2回打ちでも24kN/㎡以上の強度が標準だった。
ダイワハウスは強度が強いはずの一体打ちなのに強度は他社比で弱い?ってどういうこと?
コンクリート自体の強度なので、継ぎ目を考慮した基礎全体の強度は別なのかもしれないが、
一体打ちを謳うなら、コンクリート強度も他社同等にした方が施主側も納得できるのでは?

一体打ちなのに強度が弱いダイワハウスって大丈夫?
HPや営業は「2回打ちの他社より基礎も丈夫」って
説明しているけど、騙されずにちゃんと数値で確認しないとダメだね!
強度でなく、水や白蟻対策観点がメインということなのかもしれないですが、
もし一体打ちの話を聞く機会があれば、コンクリート強度はどうなのか確認してみてください。
コメント